古物商許可とは?トラック・重機の買取業者を見るときの基準

古物商許可とは、中古品を業として売買するために都道府県公安委員会から受ける許可のことです。
根拠は古物営業法(昭和24年法律第108号)で、無許可で営業した場合は三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金と定められています。
トラックや自走する重機は「古物」に当たるため、これらを買い取って再販する業者は許可を持っているのが前提です。
ただし許可の有無は営業できるかどうかを示すだけで、査定額の高さや対応の丁寧さを保証するものではありません。
一方で、施行令には規制から外れる大型機械の定めもあり、機械の重量や自走できるかどうかで結論が変わります。本記事では、古物商許可の中身と確認方法、重機が対象外になる条件、リサイクル法の登録や許可との違いまで解説します。

現場買取ナビ編集部
現場買取ナビは、トラック・農機具・重機・フォークリフトの買取を扱う情報サイトです。買取相場が何で決まるか、不動車や事故車にどこまで値が付くか、必要書類と名義変更、部品や架装だけを売る方法、都道府県ごとの事情まで、業者に連絡する前に必要な判断材料を品目別に整理しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
古物商許可とは何を許された状態なのか
2026年8月時点の古物営業法にもとづいて整理します。
古物営業法第2条第1項は「古物」を、一度使用された物品、使用されていないが使用のために取引されたもの、またはこれらに幾分の手入れをしたものと定めています。
使用済みのトラックはもちろん、新車として登録されたまま走っていない車両も、使用のために取引されたものとして古物に含まれます。
この古物を売買したり交換したりする営業を行うには、古物営業法第3条により都道府県公安委員会の許可が必要です。
窓口は営業所の所在地を管轄する警察署で、許可を受けると営業所ごとに許可証の番号が与えられます。
無許可営業の罰則は同法第31条第1号で三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金と定められていて、2025年6月1日施行の改正で「懲役」から「拘禁刑」に呼び方が変わっています。
つまり許可は、中古のトラックや重機を仕入れて他に売ることを行政に認められている状態を指します。買い取った車両を自社で使い続けるだけなら古物営業には当たりませんが、買取業者は再販や輸出を前提に仕入れているため、事業の根っこに許可が置かれている形です。
中古売買に許可が必要とされる理由
古物営業法が置かれている理由は、盗品の流通を防ぎ、盗まれた品物を早く見つけられる状態を作ることにあります。
中古品は所有者が次々に変わるため、盗まれた物が市場に混ざると追跡が難しくなります。
そこで許可を受けた事業者に、取引の相手方を確認する義務や、帳簿などに取引内容を記録する義務を課し、警察が流通経路をたどれるようにしています。
建設機械や農機は盗難の対象になりやすく、トラックも架装ごと持ち去られる例があります。
売り手の側から見れば、身分証の提示を求められたり、車検証の名義と持ち主が一致しているかを細かく聞かれたりするのは、この義務があるからです。
手続きが増えて煩わしく感じる場面もありますが、確認を省く業者のほうがむしろ不自然だと考えたほうが実態に近いです。
裏を返せば、許可は「盗品対策の仕組みに組み込まれている事業者である」ことの表示にとどまります。
査定額をいくら出すか、引き取りをどこまで無料でやるか、契約後に減額しないかどうかは、許可とは別の話です。
ここを取り違えると、許可番号だけを見て相手を信用してしまいます。
業者の比較軸としてどこを見るかは対応品目と出張範囲で見る業者選びで解説しています。
トラックや重機が古物商許可の対象外になる条件
重機や建機を売るときに結論が反転するのが、古物営業法施行令第2条の「法の規制の除外に係る大型機械類」です。ここでは船舶(総トン数20トン未満の船舶および端舟等を除く)、航空機、鉄道車両に加えて、次の2つが除外として挙げられています。
- コンクリートによる埋め込み・溶接・アンカーボルトを用いた接合その他これらと同等以上の強度を有する接合方法により、容易に取り外すことができない状態で土地または建造物に固定して用いられる機械であって、重量が1トンを超えるもの
- 重量が5トンを超える機械(船舶を除く)であって、自走することができるものおよびけん引されるための装置が設けられているもの以外のもの
後半の書き方が読みにくいところです。
施行令は、5トンを超える機械のうち「自走できるもの」と「けん引装置があるもの」を除外の対象から外しています。
そのため自走する油圧ショベルやホイールローダ、トレーラで運ぶ機械は古物として扱われ、工場に固定された1トン超の設備や、自走もけん引もできない5トン超の機械は古物に当たらないという整理になります。
ただしこれは条文の定めをそのまま示したもので、手元の機械がどちらに入るかは据え付け方や改造の状況で判断が分かれます。自分の機械の扱いが気になる場合は、所轄の警察署に機種と重量、設置状態を伝えて確認してください。
リサイクル法の登録・許可は古物商許可とは別物
買取業者のサイトを見比べると、古物商許可と並んで自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律・平成14年法律第87号)の登録番号や許可番号が載っていることがあります。
この2つは目的も所管も違います。
古物商許可は中古品として売買するための許可で、リサイクル法のほうは使用済みになった車両を引き取ったり解体したりするための資格です。
| 資格 | 種別 | できること | 更新 |
|---|---|---|---|
| 古物商許可 | 都道府県公安委員会の許可 | 中古車両の売買・交換 | — |
| 引取業 | 都道府県知事の登録 | 所有者から使用済自動車を直接引き取る | 5年ごと |
| 解体業 | 都道府県知事の許可 | 使用済自動車の解体(部品取りを含む) | 5年を下らない政令で定める期間ごと |
| フロン類回収業 | 都道府県知事の登録 | 使用済自動車からのフロン類回収 | — |
| 破砕業 | 都道府県知事の許可 | 廃車ガラのプレス・せん断 | — |
引取業の登録は、年間1台でも所有者から使用済自動車を直接引き取るなら必要です。
解体業の許可は部品取りにも及ぶため、動かない車両から使える部品を外してから廃車として引き渡す場合、その部品取りには許可が要ります。
経済産業省などが公開しているQ&Aでは、この場合は部品取りの前に使用済みとなっていたと整理されると説明されています。
売り手の立場では、再販が見込める車両なら古物商許可を持つ業者、解体や部品取りが前提になる車両なら引取業の登録と解体業の許可がある業者、という見方になります。どちらが自分の車両に近いかは、廃車と売却の手続きと費用の違いで解説しています。
許可番号を実際に確認する手順
確認そのものは難しくありません。
許可を受けた事業者は、営業所に許可証の内容を記した標識を掲げる義務があり、ホームページで古物の取引をする場合は許可をした公安委員会の名称・許可証の番号・氏名または名称を表示することが定められています。
そのため公式サイトの会社概要やフッターに「○○県公安委員会許可 第◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯号」の形で載っているのが通常です。
サイトに番号が見つからないとき
電話や問い合わせフォームで直接聞いてかまいません。
許可番号は隠すものではないので、聞いて答えられないほうが不自然です。
あわせて、どの都道府県の公安委員会から許可を受けているかを聞いておくと、営業所の所在地と話が合っているかも確かめられます。
番号を確認したあとに見る場所
古物商許可が確認できても、それで判断材料が揃うわけではありません。
契約書に減額の条項があるか、引き取りのレッカー代やキャンセル料が別途かかるか、名義変更をいつまでに済ませるかといった点です。
このあたりは許可とは無関係に業者ごとに違います。
名義変更をどこまで業者に任せられるかは業者に任せる範囲と期限で解説しています。
古物商許可をめぐって誤解されやすい3つの点
「許可があるから安心」という受け取り方
許可は行政上の要件を満たしていることを示すだけで、査定額や対応品質を保証しません。許可を持つ業者同士でも、扱う品目と販路が違えば同じ車両の評価は変わります。
許可と税金の還付を結びつけてしまう誤解
自動車重量税の廃車還付は、使用済自動車が自動車リサイクル法にもとづいて適正に解体され、解体を事由とする永久抹消登録(解体届出)と同時に還付申請をした場合の制度です。
自動車税(種別割)も、年度途中に抹消登録をすれば月割で減額されますが、所有を移転する登録、つまり名義変更では還付されません。
買取業者に売っただけでは、どちらの税も制度としては戻ってこないという整理になります。
業者が「税金分を精算します」と言う場合、それは制度上の還付ではなく契約上の取り決めです。
金額や手続きは所在地の都道府県の案内で確認してください。
みっつ目は、無許可の相手と取引した場合に売り手も罰せられるのかという心配です。
古物営業法第31条第1号の罰則は無許可で営業した者に向けられたもので、売った側の責任について同じ定めがあるわけではありません。
ただし相手が誰なのか分からない状態で車両を渡すと、名義変更が行われずに自動車税の請求が残る、書類が返ってこないといった実害が出ます。
許可番号と社名、所在地を確認できない相手には渡さないでください。
業者選びのなかで古物商許可をどこに置くか
許可の確認は、比較を始める前の入口に置くのが合っています。
許可番号を掲げていない業者をここで外し、残った業者を対応品目・出張査定の範囲・引き取り方法・契約条件で比べるという順番です。
許可の有無で優劣を付けようとすると、どの業者も同じに見えてしまいます。
そのうえで、自分の車両がどのタイプの業者に近いかを考えてください。
再販が見込めるトラックなら品目専門の買取業者や輸出業者、国内の規制で使いにくい年式でも輸出先に需要があれば評価が残ります。
自走できない車両なら解体・部品取り業者のほうが計算が立ちます。
急いで現金化したいなら地域の業者が引き取りが早い反面、販路が地域内中心になるぶん高値は出にくい傾向があります。
複数社に出す方法として一括査定もあります。
申込内容が提携する複数社へ同時に配信されるので競争が働きますが、そのぶん連絡も同時に集中します。
時間に余裕があるかどうかで向き不向きが変わるところで、仕組みと注意点は一括査定で高値が出る仕組みで解説しています。
よくある質問
古物商許可がない業者に売るのは違法ですか
古物営業法第31条第1号の罰則は、無許可で古物営業を行った者を対象としています。
売り手が罰せられるという定めが同じ形で置かれているわけではありません。
ただし名義変更がされずに自動車税の請求が残るなどの実害が出るため、社名・所在地・許可番号を確認できない相手に車両を渡すのは避けてください。
許可番号はどこで見られますか
営業所には許可証の内容を記した標識が掲げられています。
ホームページで古物の取引をする場合は、許可をした公安委員会の名称・許可証の番号・氏名または名称を表示することが定められているので、会社概要やフッターを見てください。
見つからなければ電話で聞いて差し支えありません。
フォークリフトを売るときも古物商許可のある業者を選べばよいですか
フォークリフトは道路交通法施行規則第2条で大型特殊自動車に例示されている機械で、自走できるため古物営業法施行令第2条の除外には当たらないという整理になります。
そのため古物商許可を持つ業者が扱うのが通常です。
手元の機体が重量や据え付け状態の面でどう扱われるか気になる場合は、所轄の警察署に確認してください。
古物商許可を持つ業者なら査定額も高いのですか
許可と査定額は関係がありません。
買取価格は年式・走行距離や稼働時間・架装の状態に加えて、その時期の中古相場と輸出需要で動きます。
同じ車両でも、扱う品目や販路が違えば業者ごとに評価が変わるため、複数社に出して比べてください。
不動車を引き取ってもらうには、古物商許可だけで足りますか
再販を前提に仕入れるなら古物商許可の範囲ですが、使用済みとして引き取る場合は自動車リサイクル法の引取業の登録が必要で、解体や部品取りを行うには解体業の許可が要ります。
引取業の登録は年間1台でも必要と定められています。
動かない車両を出すときは、その業者がどの資格まで持っているかを聞いてください。
許可の更新はありますか
自動車リサイクル法の引取業の登録は5年ごと、解体業の許可は5年を下らない政令で定める期間ごとに更新を受けなければ効力を失うと定められています。
古物商許可については、この記事で参照した範囲に更新期間の定めは確認できませんでした。
詳細は所轄の警察署で確認してください。
まとめ
古物商許可は、中古のトラックや自走する重機を売買するために都道府県公安委員会から受ける許可で、盗品の流通を防ぐために取引記録や相手方確認の義務とセットになっています。
許可番号は公式サイトや営業所の標識で確かめられるので、比較を始める前の入口として使ってください。
そこから先の査定額や引き取り条件は許可とは無関係で、対応品目・販路・契約内容で決まります。
使用済みとして引き取る場面では引取業の登録、解体や部品取りには解体業の許可という別の資格が関わります。
税金の還付も、抹消登録を伴う場合と名義変更だけの場合で扱いが変わるところです。
ぜひ本記事の許可の見方と資格の違いを参考に、自分の車両がどのタイプの業者に合うかを考えてから査定に出してください。


