事業用車両の売却に必要な書類|法人と個人事業主で違う5点

トラックや重機を売るときに売り手が用意する書類は、自動車検査証・譲渡証明書・印鑑登録証明書・委任状、そして車検証の記載と現在の名義が違う場合の証明書類の5点です。
法人と個人事業主で分かれるのは、印鑑登録証明書を取る窓口と、実印にあたる印鑑の2点にほぼ絞られます。
つまずきやすいのは有効期限で、印鑑登録証明書は発行から3か月を過ぎたものは使えません。
本記事では、5点の内訳・法人と個人事業主の違い・取得先と期限・業者に任せられる範囲・売却では税金が戻らない理由を解説します。

現場買取ナビ編集部
現場買取ナビは、トラック・農機具・重機・フォークリフトの買取を扱う情報サイトです。買取相場が何で決まるか、不動車や事故車にどこまで値が付くか、必要書類と名義変更、部品や架装だけを売る方法、都道府県ごとの事情まで、業者に連絡する前に必要な判断材料を品目別に整理しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
トラック・重機の売却で必要書類は5点にまとまる
2026年8月時点で、国土交通省が移転登録(名義変更)の必要書類として案内しているものは、売り手が出すもの・買い手が出すもの・共通で必要なものに分かれています。車両を手放す側が準備するのは、次の5点です。
| 書類 | 押印・期限 | 備考 |
|---|---|---|
| 自動車検査証(車検証) | — | 共通書類として挙げられている。通常は車両に備え付けているもの |
| 譲渡証明書 | 実印を押印 | 誰から誰へ譲るかを示す書類 |
| 印鑑登録証明書 | 発行から3か月以内 | 期限切れがいちばん多いつまずき |
| 委任状 | 実印を押印 | 代理人が申請する場合に必要 |
| 氏名・住所の変更を証明する書類 | — | 車検証の記載から変更がある場合。戸籍謄本・住民票など |
このほかに共通書類として移転登録申請書(実印を押印)と手数料納付書があり、買い手側は印鑑登録証明書と委任状、使用の本拠の位置が変わる場合は発行から1か月以内の自動車保管場所証明書を用意します。買取業者に売る場合は業者が買い手になるので、この部分は売り手の手を離れます。
つまり売り手の作業は、車検証を出し、譲渡証明書と委任状に実印を押し、印鑑登録証明書を期限内で添えることに集約されます。
申請書の作成と手数料の納付は窓口で申請する側の作業になるため、委任状を渡して代理申請してもらうなら、そこは業者が扱います。
買取業者ごとに用意する書式や送付の方法が違うので、依頼先が決まった段階で書類の送り先と期限を確認しておくと二度手間になりません。
依頼先そのものの選び方は対応品目と出張範囲から見る業者の選び方で解説しています。
法人と個人事業主で分かれる必要書類は2点だけ
書類の種類そのものは、法人でも個人事業主でも上の5点から増えません。変わるのは、印鑑登録証明書をどこで取るかと、実印として何を押すかです。
法人名義で登録している車両なら、印鑑登録証明書は登記を管轄する法務局で発行を受け、譲渡証明書や委任状に押すのは会社の代表者印(会社実印)になります。
個人事業主が屋号ではなく個人名で登録している車両なら、住民登録のある市区町村の窓口で印鑑登録証明書を取り、個人の実印を押します。
事業で使っていたかどうかではなく、車検証に記載された所有者が誰かで決まります。
この点を取り違えると、揃えた書類が全部使えません。
もう1点、法人で気をつけたいのが商号や本店所在地の変更です。
車検証の記載と現在の登記内容がずれている場合、変更を証明する書類が必要になります。
国土交通省の案内では氏名・住所に変更があるときの証明書類として戸籍謄本・住民票などを挙げていますが、法人がどの証明書で代えるかは書かれていないため、所轄の運輸支局に確認してください。
移転や商号変更から時間が経っている会社ほど、ここで足止めされやすいところです。
代表者が交代している場合も同じで、車検証の記載と現在の代表者が違えば、そのまま押印して進めることはできません。査定を申し込む前に車検証の所有者欄を見て、いま登記されている内容と一致しているかを見ておくといいでしょう。
必要書類の取得先と、3か月で切れる印鑑登録証明書
期限があるのは印鑑登録証明書と、買い手側が用意する自動車保管場所証明書です。
印鑑登録証明書は発行から3か月以内、保管場所証明書は発行から1か月以内と定められていて、売り手が関わるのは前者だけになります。
査定の申し込みと同時に取ってしまうと、業者選びや引き渡し日の調整で時間がかかったときに期限が近づくので、売却先と引き渡し日が固まってから取るほうが安全です。
譲渡証明書と委任状は、運輸支局の窓口や国土交通省の登録ポータルサイトで様式を入手できます。買取業者が自社の書式を送ってくることも多いので、二重に用意しないよう先に聞いておいてください。
手数料は2026年4月1日に改定されています。窓口申請とワンストップサービス(OSS)申請で金額が違うので、改定後の額を押さえておいてください。
| 手続き | 窓口申請 | OSS申請 |
|---|---|---|
| 移転登録(名義変更) | 700円 | 600円 |
| 一時抹消登録 | 500円 | 450円 |
| 変更登録 | 500円 | 450円 |
| 登録事項等証明書(現在証明) | 400円 | — |
永久抹消登録の手数料は無料です。金額そのものは小さいものの、改定前の額(移転登録500円・一時抹消350円)を載せたままの解説も残っているため、印紙を買うときは現在の額で確認してください。
フォークリフトと農機は必要書類の前提から違う
フォークリフトや農耕作業用自動車は、道路交通法施行規則でトラックとは別の大型特殊自動車に区分されています。
ショベル・ローダやホイール・クレーン、ロード・ローラなども同じ区分で、車両総重量や最大積載量で分かれる大型・中型・準中型の区分とは別の扱いです。
さらに、特殊自動車のうち長さ4.70m以下・幅1.70m以下・高さ2.00m以下(ヘッドガード等を除いた高さが2.00m以下なら2.80m以下)で、15km/hを超える速度を出せない構造のものは小型特殊自動車になります。
実務で分かれ目になるのは、その機械に車検証があるかどうかです。
公道を走るために登録している機械には自動車検査証があるので、必要書類の考え方はトラックと変わりません。
一方、構内だけで使ってきたフォークリフトや、公道登録をしていない農機には車検証がないため、揃えるものの中身が変わります。
何を求められるかは買い手によって違うので、問い合わせの時点で「車検証のない機械です」と伝えて、必要な書類を確認してください。
査定の材料も違います。
トラックは走行距離で見ますが、建機や農機はアワーメーターの稼働時間が中心になるため、メーターの数字を先に控えておくと問い合わせが早く済みます。
メーターが故障していたり交換履歴があるなら、そのことも合わせて伝えてください。
移転登録を業者に任せる線引きと、名義でつまずく車両
委任状に実印を押して渡すと、運輸支局での申請は業者が代理で行えます。
売り手の作業は書類を揃えて渡すところまでで終わりますが、渡したあとに何も確認しないのはすすめられません。
名義が自分のまま残っていると、自動車税の課税や事故の際の扱いで自分に連絡が来ることになります。
任せたあとに確認しておくこと
移転登録が済んだかどうかは、登録事項等証明書(現在証明)を取れば確認できます。
窓口申請の手数料は400円です。
契約時に「いつまでに名義変更を行うか」を書面で決めておき、その期日を過ぎたら証明書で確かめる、という順序にしておくと安全です。
譲渡証明書や契約書の控え、入金の記録は、経理処理でも使うので手元に残してください。
誰がどこまで行うかの整理は名義変更を業者に任せられる範囲と期限、問い合わせから入金までの順序は査定に出してから入金までの流れで解説しています。
所有者が自社でない車両
ローンの残債がある車両やリース車両は、車検証の所有者欄が信販会社やリース会社になっている場合があります。
この状態では、使用者である自社の印鑑登録証明書を揃えても移転登録はできません。
残債を精算して所有権解除の手続きを進めるか、リース会社に売却の可否と手順を確認するところから始めてください。
買取業者が残債精算を含めて対応することもありますが、精算後に手元に残る金額は当初の査定額と変わるため、見積もりの内訳を書面で受け取っておくといいでしょう。
売り急ぐほど確認が省略されやすく、あとで名義が動いていないと分かると回収に手間がかかります。
売却で自動車税は戻らず、還付は抹消登録のときの制度
買取業者に売って名義変更をしただけでは、自動車税(種別割)は還付されません。
還付されるのは年度途中に運輸支局で抹消登録(一時抹消、解体に伴う永久抹消など)をした場合で、抹消登録をした日の翌月から年度末までの税額が減額されます。
計算は「既に納付した年税額 -〔年税額 × 4月から抹消登録の日が属する月までの月数 ÷ 12月〕」です。
所有を移転する登録をしたとき、他の都道府県へ転出する登録をしたとき、3月中に抹消登録をしたときは還付されません。
自動車税は都道府県税なので、金額と手続きは所在地の都道府県の案内で確認してください。
自動車重量税も同じく、売却では戻りません。
廃車還付制度の対象になるのは、使用済自動車が自動車リサイクル法に基づいて適正に解体され、その解体を事由とする永久抹消登録(解体届出)と同時に還付申請をした場合です。
車検残存期間が1か月以上あることが条件で、「納付された自動車重量税額 × 車検残存期間 ÷ 車検有効期間」が還付額になります。
申請できるのは引取業者に車両を引き渡した最終所有者で、重量税を実際に納めた人かどうかは問いません。
還付申請書の様式は、解体を事由とする永久抹消登録申請書または解体届出書と一体になっています。
業者が「税金分を精算します」と説明する場合、それは制度上の還付ではなく契約上の取り決めです。
still残る税額をどう扱うかは業者ごとに違うので、見積書のどの項目に含まれているかを確認してください。
売却代金の会計処理は、固定資産の帳簿価額との差で売却益か売却損が出る形になります。
一般的な取り扱いは売却時の勘定科目と固定資産の除却との違いで解説していますが、減価償却の残り方や消費税の扱いは事業の状況で変わるため、最終的な判断は税理士に確認してください。
よくある質問
自動車税の納税証明書は必要ですか
国土交通省が移転登録の必要書類として案内しているのは、自動車検査証・譲渡証明書・印鑑登録証明書・委任状・移転登録申請書・手数料納付書と、氏名や住所の変更がある場合の証明書類です。
納税証明書はその一覧に挙げられていません。
ただし業者が売買の条件確認のために提示を求める場合があるので、依頼先に聞いてください。
印鑑登録証明書の期限が切れていたらどうなりますか
発行から3か月以内のものが必要と定められているため、期限を過ぎたものは使えません。
取り直しになります。
引き渡し日が決まってから取れば、余裕を持って期限内に収まります。
車検証が見つからない場合はどうすればよいですか
自動車検査証は移転登録の必要書類として挙げられているので、手元にない状態では申請できません。再交付の手続きと必要なものは所轄の運輸支局で確認してください。
名義変更が済んだかどうかを自分で確認できますか
できます。登録事項等証明書(現在証明)を取れば、現在の登録内容が分かります。窓口申請の手数料は400円です。
廃車にする場合の必要書類は売却と同じですか
違います。
一時抹消登録では、一時抹消登録申請書(OCR申請書第3号様式の2)・手数料納付書・印鑑登録証明書(3か月以内)・委任状・自動車検査証に加えて、自動車登録番号標(ナンバープレート)の返納が必要で、事業用車は事業用自動車等連絡書も添えます。
永久抹消登録も同様の書類構成で、申請書には解体報告記録がなされた日と移動報告番号を記載します。
動かない車両でも売却できる場合があるため、廃車費用を払う前に一度査定に出す選択肢は残しておいてください。
売却したあと、確定申告で何か必要になりますか
売却代金と帳簿価額の差で損益が出るため、記録は残しておいてください。
申告が必要になる条件は事業形態と資産の扱いで変わります。
確定申告の対象になる条件で解説していますが、個別の判断は税理士に確認してください。
まとめ
売り手が用意するのは車検証・譲渡証明書・印鑑登録証明書・委任状と、記載に変更がある場合の証明書類の5点で、法人と個人事業主の違いは印鑑登録証明書の窓口と押す印鑑に集約されます。
期限は印鑑登録証明書の3か月、金額は2026年4月1日改定後の移転登録700円(OSS600円)を押さえておけば、窓口でのやり直しはほぼ避けられます。
税金が戻るのは抹消登録をしたときだけで、名義変更では還付されません。
ぜひ本記事の5点の内訳と期限を参考に、車検証の所有者欄を確かめてから査定に進んでください。


